イマジンファーム・アップルトマト オリジナル農法でのトマトの作り方
イマジンファーム・アップルトマトのあるスギです。
今日は9月3日です。9月、10月は台風シーズンになり、農家にとっては一番気が滅入る季節です。
スマホで台風情報を常にチェックして、進路や勢力しだいでは、ハウスが壊れないように台風対策をしっかりして、台風が去るまでビクビクしながら過ごさないといけません。最悪な場合、ハウスが倒壊して、一瞬で数百万円単位の被害が出ることもあります。
自然相手なのでどうしようも無いですが、最悪な場合を想定して、事前にしっかりと準備、対策することが1番重要になります。精神的にも、経営的にも、安心、安全につながると思います。
今回は播種の仕方を紹介していきます。
品種
私が栽培している品種は2種類あります。
大玉トマトの「cf桃太郎ファイト」と「中玉トマト」のフルティカです。
大玉トマト(cf桃太郎ファイト)は8月下旬播種、9月下旬定植、1月上旬収穫開始、7月下旬収穫終了
中玉トマト(フルティカ)は8月上旬播種、9月上旬定植、12月上旬収穫開始、7月下旬収穫終了
というスケジュールで毎年営農計画を立ててます。
cf桃太郎ファイト(タキイ)
・糖度が高く、酸味が少ない品種。食味が良い。
・高騰度栽培に最適です。
・吸肥率が強く、肥料のやりすぎには注意が必要です。
・根張りが良く、栽培後半までスタミナが維持します。
・葉カビ病(Cf4)に耐病性があります。
・夏場に強く、青枯病に中程度の耐病性があります。
・根腐萎ちょう病(J3)、トマトモザイクウイルスTm-2a型、萎凋病レース1(F1)とレース2(F2)、半身萎凋病(V)、斑点病(LS)、サツマイモネコブ線虫(N)にも複合耐病虫性。
フルティカ(タキイ)
・果肉は滑らかで弾力性があり、食感が極めて良い。
・糖度が高く、コクがあり、安定した甘さが期待できる。
・生育は旺盛で、着果は安定しており、多収で作りやすい。
・裂果しにくく、一房に8から10個位、果実が着きます。
・葉かび病(Cf9)、斑点病(LS)、トマトモザイクウイルス(Tm-2a型)、サツマイモネコブ線虫(N)に複合耐病虫性。
必要な資材
・種子
・播種用用土
基本的には、排水性と保水性に優れて、病害虫に侵されていない綺麗な土が理想です。
排水性が悪いと、種子が腐敗しやすくなり、保水性が悪いと種子が乾きやすくなり発芽率が悪くなります。
私はタキイが販売している専用の用土を使用しています。少し値段は高いですけど、品質が安定しているし、肥料も入っているので、この用土一つで用が足ります。
ホームセンターで売っているものの中には、品質の悪いものも多いので、ちゃんとしたメーカーが販売しているものを購入するか、初めて使用する用土の場合、播種する前に事前に使用してみて、ちゃんと発芽するか、苗に悪影響はないか、確認し安全なら播種してみてください。
私も以前ホームセンターで用土を買って、何も確認せず、すぐ播種したことがあり、3000粒ほど播種して、8割方発芽しなかったことがあります。
原因は、ちゃんと酸度調節されていないピートモスを使用したことです。
播種は、トマト作りのスタートラインで重要な作業なので、信頼できる用土を使用して、元気で良質な苗を作っていきましょう。
・セルトレイ
128穴のセルトレイを使用してます。そのままだと取り回しが悪いので、セルトレイを2分割して使用しています。
播種の仕方
・用土をセルトレイにスレスレまで詰める。
・金槌で土を5ミリ〜10ミリほど鎮圧する。土を鎮圧することで、根張りが良くなり、根が土をがっしり掴むことで、植え付けの時土がこぼれずスムーズに定植できます。
・タネを1粒ずつまく。
・上に用土を被せ、軽く押さえる。被覆する土が多いと発芽率が悪くなり、少ないと種子の殻が子葉にくっつき発芽し、生育不良を起こすことがあります。
・下の穴から水が出るまでたっぷり水を撒く。
その他、重要な管理
1年で最も暑い時期に播種するので、暑さ対策はしっかりしないと発芽率が悪くなります。
・遮光資材、寒冷紗、防風ネットなどを使用して太陽光を遮る。
寒冷紗
防風ネット
・換気扇でハウス内の暑い空気を抜く。
・播種床の温度が35度以上にならないように気を付ける。35度以上になると発芽率は悪くなります。できるだけ30度前後を維持する。
・条件が良ければ3日〜5日ほどで発芽します。
・1日2回、朝、昼にたっぷり散水する。
・播種してから発芽するまでは絶対用土を乾かしてはいけません。
・ネズミが生息していると、発芽したての若い新芽を食べてしまうので、食害がある前にネズミ対策をしておきましょう。私は、粘着トラップ、殺鼠剤、捕獲用のカゴなど使用してます。ネズミはピーナッツクリームが好物なので、誘き寄せるのに最適です。
・残った種子は、乾燥剤を入れ、密閉して冷蔵庫に保存すれば、翌年まであまり発芽率が落ちないまま使用できます。
家庭菜園の場合
・品種
私が使用している、大玉トマト「桃太郎ファイト」、中玉トマト「フルティカ」は食味が良いし、糖度も乗りやすく、家庭菜園でも栽培できるのでおすすめですが(フルティカの方が根張りが良く、勢いが良いので栽培がしやすいです)、他にもたくさんの品種が各メーカーから販売されているので、色々試して自分のお気に入りの品種を探してみてください。
・用土
タキイの種まき用用土が使いやすくおすすめです。
・セルトレイ
128穴で良いですが、もっと根張り良く、がっしりした苗を作りたい場合は50穴か72でも良いです。
・播種から発芽するまでの管理
7月〜8月に収穫する場合、トマトの種まきの時期は、3月〜4月です。種まきからトマトを育てるときは、苗から育てるよりも栽培時期が2ヶ月早くなります。
3月〜4月はまだ気温が低いので室内で管理し、昼間は日当たりの良い場所に置き、夜間は発泡スチロールなどに入れ寒さを防ぐと良いでしょう。。加温や保温を行って発芽適温を保ちましょう。
トマトの種は、25度前後が最も発芽率が良いです。20度から30度の範囲内なら4日から7日ほどで発芽します。気温が低いと発芽まで時間がかかります。15度以下になると発芽率が悪くなるので、適温を維持しましょう
発芽するまでは乾燥させないように、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりを行いましょう。
発芽した後は、出来るだけ日光を当てて育てます。陽の光が足りないと徒長してしまうことがあります。