イマジンファーム・アップルトマト オリジナル農法でのトマトの作り方
イマジンファーム・アップルトマトのあるスギです。
今日は10月7日です。10月に入って朝晩はだいぶん涼しくなって気きましたけど、日中は30度近くになり、まだまだ暑い日が続きそうです。
トマト定植して1ヶ月たち、1番花も咲いてきて順調に成長しています。
私がいる地域では、黄化葉巻病の発生が多く、問題になるので、ウイルスの媒介者になるタバココナジラミ対策は徹底してやっていかないといけません。
主に除草と防除ですが、10月いっぱいは気が抜けません。
世の中には沢山、トマトを栽培している人がいます。大規模経営している人、ひとり農家の人、メチャクチャお金稼いでいる人、趣味でやっている人、専門的知識、技術を追求している人、高糖度トマト、美味しさを追求している人など、様々な人がいます。
皆さんそれぞれ個性的で、自分の仕事、トマト作りに誇りを持っていると思います。
私はひとり農家ですが、トマト栽培農家として自慢できる物、誇れるものは何かというと、毎日トマト作りを世界一楽しんでいること、自由に自分らしく生きることを何よりも大事にしている事だと思います。
農業する上で、トマトを栽培する上で、自分が最もこだわっていることは、徹底的に楽しむことです。
私がひとり農家になって18年になりますが、この18年間1日も休んだことはありません。勿論、どうしても外せない用事とかありますが、それでも朝だけでも、また用事が終わって夜になってだけでも1日に1回は農場に様子を見に行っています。
毎日楽しく仕事しているので、大きな病気になったことも1度もありません。正月もお盆も休みません。なぜなら、仕事している方が圧倒的に楽しいからです。
真夏のハウスは45度くらいになります。でも汗だくになりながら仕事します。なぜなら楽しいからです。過酷な状況がやる気を奮い立たせます。
仕事をしていると、うまく行くことばかりではもちろんありません。しかし、問題点を徹底的に分析し、改善点を見つけ出し、実際に行動に移し、克服していく。常にトマトのことを考え、悩み、克服し、歓喜する。その過程全てが楽しいです。
ということで私が唯一世界で一番だと思うことは、トマト作り、仕事を徹底的に楽しんでいるということです。また、周りに流されず、自分の人生は自分で決め、自由な毎日を生きるていることです。
適度に過酷な毎日を徹底的に楽しく生きるのが私の生き甲斐です。
今回は定植後の管理、1番花が開花するまでの注意すべきポイントを書いていきたいとおもいます。
基本事項
この時期に気を付けるポイントは
・生育を抑え気味で育て、頑丈な苗を作る。
苗を生育旺盛に育てると後の管理が難しくなります。花の品質が低下し、結実しにくくなるし、茎、葉が軟弱に育ち。病害虫に弱くなります。頑丈な苗を作ることがこの時期一番の大事なポイントになります
・苗の転倒に気を付ける。
苗が小さいうちは、まだ支柱まで丈が届かないので、強い風や農薬散布の際倒れると、ポキっと折れて枯れたり、株元が病気に侵されることがあります。節水管理や日光を十分に当て、光合成を促進させ、ガッチリとした苗を育てます。倒れた場合は、竹串を土に差し、仮止めします。
・病害虫を多発させない。
病害虫が増えすぎると、いくら農薬散布しても効果がありません。定期的な農薬散布と除草、後、毎日よく観察し、病害虫に侵されている箇所を早期に発見することが大事。
・日光によく当てる。
9月中旬まではまだ暑く、日差しが強いので、遮光を続け、9月下旬から10月に入って、日中の気温(ハウス外の気温)が30度前後になってきたら、遮光を外して、太陽の光をたっぷり当てて光合成を促進させていきます。
遮光を長く続けると、苗が軟弱徒長気味に育つので、出来るだけ早く日光に当てる。
・栄養成長と生殖成長のバランスの取れた株をつくっていく。
若苗を定植した後は栄養成長型になり、根、茎、葉を優先的に成長させ、株が大きくなっていきます。その後、節水管理と光合成を促進させることにより、生殖成長型に傾き、花を形成し、果実を結実させます。トマトは栄養成長と生殖成長が同時進行で進んでいきます。どちらにも傾かず、バランスの取れた状態が大事です。
栄養成長と生殖成長の詳しい内容については次回のブログで書いていきます。
灌水
セルトレイから直接、播種して1ヶ月の若苗を定植したら、根が勢いよく伸びて、過剰に養水分を吸収して栄養成長に傾き、茎、葉が大きく軟弱徒長気味に育っていきます。
初期の段階から、苗を生育旺盛に育てすぎると貧弱な花が咲きやすく、実もつきにくく、品質の良い果実もなりません。
なので、定植したら苗全体が萎れるまで、灌水は控えます。節水管理して、根を深くまで張らし、茎、葉の締まったガッチリとした苗を作っていきます。節水管理は3段目の花が咲くまで続けます。
この期間中の灌水量は、1株当たり400mlから500mlです。
しかし、トマトトーンを散布する前日は、充実した花を咲かせ、品質の良い果実を実らせるために多めに灌水します。それ以外の日は基本、節水管理です。(強めの節水管理している場合に限る。)
施肥
肥料を初期の段階から与えると、栄養成長を加速させるので、葉の色が薄くなってきたり、苗全体が貧弱になってきたら、薄めの液体肥料を与えます。
EC 0,6前後の濃度に調整した液肥を流していきます。
支柱
苗が大きくなるにつれ倒れやすくなるので、支柱に固定していきます。
ウネの片側に1,0m〜1,5m間隔で支柱を打ち込んでいきます。
20cm間隔でマイカ線(丈夫なヒモならなんでもいいです)を張っていきます。
マイカ線はハウスにフィルム固定させるのに使用していたものを再利用しています。
一番上に張った線は一番比重がかかるので、2本か3本まとめて貼ります。
支柱が左右に倒れるのを防ぐために、ウネと直角にマイカ線をはり、支柱と固定していきます。
支柱の両サイドが比重がかかるので、しっかり固定して転倒を防ぎます。
一度設置したら、ずっと固定したままで、毎年支柱立てる手間がかかりません。1年に一度、マイカ線が弛んだり、切れた箇所を直していくだけです。
この方法が一番お金がかからないし、キチンと点検していれば1年間は倒れたりする事ないので、今のところはこの方法でやっています。
資金がたくさんある方は、もっと頑丈で、キチンとした方法を取り入れた方がいいと思います。
誘引
苗がまだ小さいうちは、支柱まで届かないので、マイカ戦で挟むような形で固定します。
徐々に支柱方向に倒していきます。
支柱に届いたら、ビニールタイで固定していきます。
病害虫対策
定植してから3段目の花が咲く頃までは、9月、10月で、まだ気温が高く、病害虫が多発する時期です。定期的に農薬散布する必要があります。
この時期はだいたい、7日〜10日間隔で防除していく必要があります。
果実が大きくなって、色付き始める頃はあまり頻繁に農薬散布したくないので、果実がまだ小さく、収穫まで期間があるこの時期に徹底して、防除していきます。
しかし、農薬ばかり散布しても、トマトにも人間にも悪影響なので、自然農薬や、農薬の代替品を交互で使用し、病害虫を防除していきます。
害虫
この時期問題になる害虫
・タバココナジラミ タバココナジラミに寄生するウイルス経由で黄化葉巻病が発病する。一度発病したら、完治せず、株ごと抜かないといけないので、この時期一番気をつけないといけない。
・ハモグリバエ 葉の内部に卵を産みつけ、幼虫が葉の中を動き回って食害する。見つけ次第、被害部分の葉を切り取る。
・トマトサビダニ 肉眼では見えないので、発見が遅れる。茎の色が赤褐色に変色し、鈍くテカります。葉が黄色くなってきて被害が発覚することが多い。
・ヨトウムシ 葉の裏に卵を産み、孵化した幼虫が葉を食害する。
対策
定期的な農薬散布と病害虫の早期発見、あとハウス内外の除草です。いくらトマトに農薬散布しても、周りが草だらけなら、すぐに虫はハウスの中に入ってきて、トマトに寄生していきます。農薬散布と並行して、除草は徹底していきましょう。
使用農薬
・アルバリン顆粒水溶剤
・アニキ乳剤
・ベストガード水溶剤
・サンマイトフロアブル
・プレバソンフロアブル
・アファーム乳剤
系統の違う農薬をローテーションで使用していきます。
農薬の代替品
・片栗粉
病気
この時期問題となる病気
・灰色かび病 果実、葉、茎に灰色のカビが発生する。湿度が高い条件で多発する。逆に乾燥条件では発病しにくい。
・うどんこ病 若い葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように白いかびが生える。うどんこ病は生きている植物にしか寄生しません。涼しく湿度が低いと繁殖しやすくなります。チッ素過多により植物体が軟弱化している場合なども発生しやすくなります。
・サビ病 葉に始め白い小斑点を生じ、やがてその部分が盛り上がってきて褐色の小斑点になり、表皮が破れて黄、赤褐色の粉末が飛び散るようになります。
対策
苗が軟弱徒長に育っていれば、病気に対する抵抗力が弱くなるので、しっかり根を張らして、ガッチリとした、茎、葉の締まった苗を作っていきましょう。定期的な農薬散布と毎日よく観察して病気に罹る初期段階で早期発見することが大事。
使用農薬
・カリグリーン
・トリフミン水和剤
・ベルクート水和剤
基本、カリグリーンで対処し、被害が収まらないようなら、他の農薬を使用します。
農薬の代替品
・重曹
家庭菜園の場合(プランター栽培)
・セルトレイから、播種して1ヶ月の若苗を直接定植した場合、1番花が開花するまで節水管理して、栄養成長に傾かないようにする。
・事前にポット移植して、1番花が開花した状態の苗を定植する場合は、定植後、たっぷり水を与え活着したら、3段目の花が開花するまで節水管理して株を仕立てていきます。
・葉の色が薄くなってきたり、苗自体が貧弱になってきたら、薄めの液肥を与える。
・1苗に1本支柱を立てて、苗が20cm位になってきたら支柱に固定する。
・栽培時期が4月、5月になり、病害虫が多くなる時期なので、毎日よく観察して、病害虫を発見したら、早めに対処する。
・基本、自然農薬など農薬の代替品で対処し、治らないようなら、農薬を散布する。
・日当たりの良い場所で栽培し、光合成を促進させ、ガッチリとした、栄養成長と生殖成長のバランスの取れた株をつくっていく。