甘くて美味しい完熟トマトの作り方 コンプリートバージョン(12) 収穫期からの管理の仕方

トマトの作り方

イマジンファーム・アップルトマト オリジナル農法でのトマトの作り方 

イマジンファーム・アップルトマトのあるスギです。

今日は1月7日です。2025年が始まりました。今年も色々と世の中騒がしくなりそうですけど、毎日楽しく暮らしていきたいものです。

今年、重点的に取り組んでいきたいことは、出来るだけ何にも頼らずに自由に独立して経営していくことと、自分らしさ、自分の独自性、自分の特技をSNSを通して発信していくことが重要なことだと個人的には思い、実行していこうと思います。

具体的には、スーパーや道の駅などに頼らずに、自分のホームページ、販売サイトを開設して、ネット販売の形を作る事。

インスタグラム、XなどのSNSなどを活用して、自分の農場の情報を発信する事。

イマジンファーム・アップルトマト・オリジナル農法のさらなる進化とSNSと通して拡散する事。

世の中が混沌とする時代には、自分自身をしっかりと持つことが大事だと思います。世の中の激しい動きに惑わされず、掻き回されず、常に安定して農業経営できるような土台を作っていきたいと思います。

今回は収穫期からの管理の仕方について書いていきます。

基本事項

収穫が始まる頃は、11月中旬〜下旬で夜ハウスを閉め切って暖房機を回し始めます。

この時期はハウスの環境制御が重要な作業になります。

私が住んでいる地域では11月中旬〜4月中旬までが夜ハウスを閉め切って暖房を動かす期間です。

収穫が始まる時期は、日照量が少なく、気温が低い時期になります。水と肥料の吸収量は少なく、成長スピードは遅いです。なので、灌水量は必要最低限にします。

収穫が始まり、1段目が収穫し終え、7段目の花が開花したあたりから、着果数も安定してきて、樹勢も回復して、安定期に入ります。この時期から収穫終了までは、基本、管理の仕方は同じです。

季節による気温の変化、天候による変化、樹勢の強弱による変化などに随時適応して、最適な管理を目指す。

糖度の高いトマトを作る上で、水分ストレスを与えることが最も重要なポイントになります。毎日、トマトの様子をよく観察して、灌水するタイミング、灌水する水量、肥料の有無などを決めていきます。

毎日機械的に灌水するのではなく、日々変化するトマトの状態をよく観察して、その日、その時必要であろう灌水を行う。

各ハウス、各ウネ、株1本1本、毎日必要な潅水量が違ってきます。灌水の最適解を目指して繊細で丁寧な灌水作業が求められます。

収穫は秋の終わり頃から梅雨明けまで続きます。

中玉トマト「フルティカ」で11月中旬〜7月上旬までで、20段前後収穫します。

大玉トマト「ファイト」か1月中旬〜7月末までで18段前後収穫します。

灌水

1段目収穫時は多量小灌水を続けます。1段目の収穫が終わり2段目に移行する頃、果実の着果ストレスが和らぎ、樹勢が回復してきます。

1回の灌水量の目安は1株あたり800〜1000mlです。

2段目収穫時は少量多灌水に変更して、水分ストレスをかける割合を多くしていきます。基本、株全体が少し萎れてきたら灌水します。

1回の灌水量の目安は1株あたり500=700mlです。

節水管理を心がけ、株が全体的に少し萎れ始めたら灌水します。あまり萎れさせすぎて、株を弱らせないように注意が必要です。

施肥

毎回、灌水ごとに液肥を混ぜて施肥していきます。

私の栽培方法では通常は肥料濃度はEC0,6mS/cmです。樹勢の強弱や葉の色などから判断して、肥料不足だと感じたら、EC1,0mS/cmに肥料濃度を上げていきます。

樹勢が強くなり過ぎたり、食味にエグ味が出てきたら、施肥を控えます。

窒素を施肥し過ぎると、糖度が上がらなくなるので注意する。

トマトトーン

7日〜10日間隔で散布していきます。

トマトトーンを100倍で希釈して散布する。

花房の2〜3花が開花した頃、散布する。

仕立て方

仕立て方はUターン仕立てを採用しています。

支柱に固定してある1番上の線までトマトの主枝をワイヤーかヒモで結束したら、そのまま主枝を伸ばし続けます。50㎝程度伸びたら、少しずつ目的方向に角度を変えていきます。

果実が着果するとトマトの自重で自然に下に曲がります。地面に到達するまで伸ばしていきます。だいたい地面に着くまで、花を10段程度着花させます。

主枝が地面付近まで伸びたら、花房の上葉2枚を残して生長点を摘心します。

茎を曲げる時は茎を捻枝せず、自然に曲がるように茎を導いていきます。捻枝すると折れやすいし、捻枝した箇所が病気に侵されやすくなります。

自然に曲がるように導くとはどういう方法かというと、少しずつ茎を、目的方向へ向けていき、2、3回角度を微調節しながら、トマトの自重で茎が下に自然と下がっていくように持っていくことです。

不運にも茎を折ってしまった場合でも皮1枚ついていれば、折れた箇所から先が枯れずに生き残っていることがあります。そういう場合はこれ以上切断面が広がらないように、ワイヤーやヒモなどで固定します。

頂点付近から出る脇芽を伸ばして次の主枝にしていく。

新しく主枝にすると決めた脇芽は、下に垂らしながら花を3段ほど開花させ果実を結実させます。

3段目まで結実させたら生長点を摘心して、次の主枝となる脇芽を決定します。

7月末の収穫終了まで同じ作業を繰り返します。

Uターン仕立ての場合、主枝がUターンし始めたら葉が混み合うので、随時、混み合っている部分の摘葉をする。

果実が着色し始めたら、果実より下の葉を切り落とします。それにより通気を良くし、果実に日光をよく当てます。

芽かき

養分を果実と生長点に集中させるために早めに脇芽を取ります。

支柱の一番上付近、茎がUターンしている箇所から出ている脇芽は、次の主枝候補にするので、2、3本の脇芽を残しておいて、次の主枝となる1番いきの良い脇芽を決定したら、残りの脇芽を取っていく。

摘葉

この時期になると株が大きくなり、葉が混み合ってきます。放っておくと病害虫の巣になります。また果実を葉が覆って日光が当たらないと着色不良になります。

葉が混み合ってきたら早めに摘葉していきます。葉同士が重ならない程度に葉を切り取って通気性と採光性をよくしていきます。

果実が色付いてきたら、果実より下の葉を切り落とす。株間の通気を良くする目的と光合成能力の弱い古い葉に余計な養分を取られないように、古い葉は早めに切り落として生長点や果実に養分が集中するようにしていく。

温度管理

トマトの生育適温は昼気温が20度〜25度、夜気温が8度〜13度、地温が15度〜18度です。

最高限界昼気温は35度、最低限界夜気温は5度、最高限界地温は25度、最低限界地温は13度です。

私の栽培方法では、最高気温30度、最低気温12度を目安に温度管理していきます。

午前中、陽が登ってきてハウス内が18度以上になってきたら、徐々にハウスサイドを少しずつ上げて換気をしていきます。

この時ハウスサイドを上げる間隔は5㎝間隔で行います。一気に開けると、冷気が急にハウス内に入ってきて、トマトに低温障害を与えてしまいます。

午前中は光合成促進のため30度まで気温を上げていきます。

午後は25度を目安に温度管理をしていきます。

ハウス内が18度を下回ってきたらハウスサイドを閉め切ります。

ハウス内が12度になると暖房機が動き始めます。

換気

生育促進、病気対策のためにハウスの換気がこの時期最も重要な管理になります。ハウスを締め切っていると湿度が高くなり、病気が発生しやすくなります。晴天の日は必ずハウスを少し開け、空気の入れ替えをしてハウス内湿度を下げていきます。

空気を入れ替えることによって、ハウス内の空気が動き、湿度が下がるので、葉の蒸散が活性化されます。代謝がよくなり生育促進につながります。

ハウスを閉めているとCO2濃度が下がってくるので、陽が登ってきて、ハウス内温度が18度以上になると少しずつ換気を始めていきます。

雨や曇りの日で気温が低く換気できない日は、ハウス内に設置してあるファン回して、空気を動かしていく。暖房機の送風機でも可。ハウス内の空気を動かすことで葉に露が付くことを防ぎ、病気を発病させにくくする。

日照量

11月中旬から3月中旬は日照量が少ないので、陽が登ってきたら早めに内幕をあげて、陽を当てる。日照量、温度管理、換気を上手くコントロールすることによって効率よく光合成させる。

病害虫対策

この時期は外部からの害虫の侵入がほぼないので、害虫対策は比較的楽です。ただし、トマトサビダニが繁殖しやすいので、早期発見、早期防除が必要になります。

トマトサビダニは肉眼で見えないので、茎の色が赤褐色に変色してきたり、葉の裏面が光沢を帯びた褐色に変色してきたら、繁殖している場合があるので注意深く観察する必要があります。

アニキ乳剤、アファーム乳剤、サンマイトフロアブルなどの農薬を交替で散布する。

ハウスを閉め切っている時間が長いので湿度が高くなりがちで、病気が発生、拡散しやすい時期です。

雨や曇りの日が続いてハウスが2、3日開けれないと、病気の発生確率が上がります。

葉に露が24時間以上ついた状態だと病気になる確率が上がります。露を持たせないように、温度管理、換気、ファンを回してハウス内の空気を動かすことが大事です。

トマトの葉に露を持たせないように、日頃から、栄養成長に偏りすぎない樹勢管理が必要です。

この時期問題となる病気は、疫病、灰色かび病、うどんこ病、葉カビ病、すすかび病、菌核病などです。

一度ハウス中に広がると防除困難になるので、病気箇所の早期発見と早期農薬散布が必要です。

また、病気にかかりにくいトマトの樹をつくることが大事になってきます。

家庭菜園の場合(プランター栽培)

収穫開始は7月〜8月頃になります。

梅雨の時期は雨に直接当たらないようにする。屋根の下に移動するとか雨よけフィルムを張るとか対策をする。

梅雨が明けて真夏になって来たら、気温が高くなり日差しが強いので、出来るだけ直射日光が当たらない場所で管理するか、遮光シートを張って日差しを遮る。

株全体が少し萎れてきたら、1株あたり500〜700ml程度を目安に灌水します。

摘心して、もう新しく着果させないので、果実の糖度を高めるために、出来るだけ水を絞って管理します。

収穫が始まったら、肥料は出来るだけ控えます。葉色が少し薄くなってきたら追肥する程度で十分です。

病害虫が多い時期ですが、収穫時期に農薬をあまり散布したくないので、農薬の代替品で出来るだけ対応していきます。

・病気の対策/重曹

・害虫の対策/片栗粉の希釈液    

などを散布します。

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