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ビートルズの宇宙を旅して (1)

イマジンファーム・アップルトマトのあるスギです。

ずっと仕事ばかりしてても疲れるので、今回は仕事の息抜き、趣味のブログです。

私の頭の中の50%はトマト、残りの50%はビートルズが占めていると言っても過言ではないです。

理論物理学者のアルベルト・アインシュタインが残した言葉で『死とは何か、それはモーツァルトを聴けなくなることさ』と答えました。

それと同じように私も『死とは何か、それはビートルズを聴けなくなることさ』と答えます。

ビートルズが表現した芸術を体感し、さらに奥深くまで探求し、模倣し、無限大に広がる音楽宇宙を彼らの想いと共に旅することが私の生き甲斐です。

それではビートルズのことを詳しく紹介したいのですが、略歴やディスコグラフィーやおすすめアルバムなどよくある話題は他のサイトや本などで調べてもらって、

このブログでは私個人が最もビートルズらしいところだと思っている

1、バランス感覚

2、進化

3、笑い

について紐解いていこうと思います。

ビートルズは世界でいちばん愛されているバンドだよ。

・ビートルズのバランス感覚

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ゲーテ、空海、宮沢賢治、ビートルズ、これらの人達は、私が愛し、影響を受けた人物であり、彼らの共通点は、多様性、複眼的思考を持ち合わせております。

様々な顔を持ち、違うベクトルに向かうエネルギーが互いに刺激を与え合い、補い合い、バランスをとりながら、進化し、既成の常識を破壊し、新たな世界観を作り出す。

こういう曼荼羅的世界観に私は大変興味があり、無性に引かれるのです。

ビートルズはジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人のグループで、それぞれ全く違う個性が一つのグループにいて、普通のバンドでは方向性の違いからすぐ解散してしまうものですけど、ビートルズの場合は、この4人の絶妙なバランスが奇跡的に釣り合い、結束し、飛躍し、崩壊の時期を遅らせ、至高の芸術作品の数々を創り出した。

ここから4人の個性の違いを見ていくよ。

・ジョン・レノン

ビートルズのリーダー。皮肉屋で気分屋、自分の直感に従い言動する。頭がよく、機転が効く、芸術家肌。一瞬で物事の本質を見抜く力がある。

音楽理論を無視し直感的に曲を作る、「アイ・アム・ザ・ウォーラス」、「オール・ニード・イズ・ラブ」、「トゥモロウ・ネバー・ノウズ」など斬新なコード進行で曲を作りながらも曲として破綻する事なく、ジョン独自の奇抜で美しい曲を創り出す。リアルで私小説的な詩、自身の内面をストレートに作品に落とし込む。

彼の赤裸々で魂から絞り出すような声を聴くと、真実から目をそむけるな、自分に正直でいろ、自分の足で歩け、自由を諦めるなと言われてる気がして、いつも背筋が硬直します。

ジョンは彼が創り出す曲だけでなく、詩も、発言も、思想も、生き方も、ジョンの存在そのものが芸術であった。真のアーティストでありロックンローラーであった。

・ポール・マッカートニー

社交的で楽天家、理論的で完璧主義者、アイデアマン、天才的音楽家、マルチプレイヤー、メロディーメーカー。明るく、誰にでも親しみやすい曲を創る。ジョンとは逆に自分を曲に反映させないタイプ。物語調の詩を得意とする。

ポールの歌うようなベースラインは唯一無二。ロック、ポップス、ソウル、クラシック、ジャズ、現代音楽など、さまざまなジャンルの音楽に興味を持ち作品に取り入れる。ライブ、コンサートを愛し一流のエンターテイナーである。

ポールは音楽を生み出すために生まれてきたと言えるほどの圧倒的な音楽的才能。まさに天才である。音楽史に残る数多くの曲を創り出す。その作風は上質で洗練されてメロディーは心を小躍りさせ、歌声は安らぎと癒しを与えてくれる。

ポールの曲を聴くと、音楽とは本来楽しいものだと教えてくれる。ビートルズが今尚世界中の人々に聴かれているのは、「レット・イット・ビー」や「ヘイ・ジュード」など、ポールの創った、親しみやすく、シンプルで、普遍的なメロディーの影響が大きい。

20世紀最高の音楽家である。そして、82歳になった今でも精力的に創作活動に励んでいる。

・ジョージ・ハリスン

大人しく控えめな性格で、初期の頃はジョンとポールの圧倒的な才能の影に隠れるが、後期に音楽的才能が開花。人間味があり友人が多く、エリック・クラプトンやビリープレストンなどのミュージシャンをビートルズのセッションに参加させ、停滞したスタジオワークに新鮮な風を運び入れた。シニカルな笑いを好む。インド音楽や当時発明されたばかりのシンセサイザーを音楽制作の現場に持ち込む。2面的な性格があり、思慮深く、インド哲学に深くのめり込む反面、人や社会に対して批判や愚痴が多く、女癖も良くなかった。人間的に未熟な面も垣間見られる。

あまり抑揚のない歌い方で、シニカルで小気味良いリズム、「オールド・ブラウンシュー」や、インド哲学、神の概念について歌ったシンプルで美しい「ロング・ロング・ロング」や名曲「サムシング」などジョージの作る曲は数は少ないけど、どの曲もビートルズ作品の重要なアクセントになっている。

ビートルズの中では最も当時の流行に敏感で、インド哲学がロンドンで静かな流行になっていたら、いち早く飛びつき、メンバーや友達に広め、インド音楽にも興味を示し、シタールをマスターし、自ら創る曲にもインド音楽を取り入れた。初期のシンセサイザーもレコーディングに取り入れる。旬な人物や才能ある若手などとも積極的に交流し絆を深める。ギターも流行のものを手に入れ、頻繁にメインギターを変えていた。

しかもそれがビートルズの楽曲制作に影響を与えただけにとどまらず、インド音楽はラガーロックとなり、後のワールドミュージックの萌芽となり、シンセサイザーもブームの火付け役になる。時代の先を読む力があった。

・リンゴ・スター

ムードメーカー、明るく、陽気、社交的。「ア・ハード・デイズ・ナイト」や「エイト・デイズ・ア・ウィーク」など独時のユーモラスな言葉遊びが得意。ビートルズの潤滑油的存在。リンゴがメンバーでなければ、ビートルズはもっと早く解散していただろう。

リンゴのドラムは過度な自己主張しない、テクニックを誇らない、歌を引き立たせるドラムで、フィルの入れ方や後ノリのスタイルは一見してリンゴのものとわかり、ビートルズのリズムを支えていた。初期のアイドル時代では、最も人気があり、リンゴのユーモラスで軽妙なトークは多くの人々をビートルズのファンにさせた。俳優としての評価も高い。

我や自己主張の強いメンバーの中で、常に気配りが出来、張り詰めた雰囲気を和ませていた。1番の大人であった。

ジョンとポールという圧倒的な才能を持ち、太陽と月のように性格も音楽的嗜好も違う2人のバランスを維持させるのに、ジョージの控えめさとリンゴの人間力が必要だった。

違う個性が4人揃って奇跡的にバランス取れたことで4人のエネルギーが10倍100倍と加速度的に膨張し、ビックバンを起こした。

それは、一分の狂いもないほど完璧で美しく、果てしないほど無限大なバランス。

ジョン、ポール、ジョージ、リンゴという4人の不世出の天才が、同じグループにいて、共に協力し合い、時に競争し合い成長し、同じベクトルに向かって突き進んでいったことが、ビートルズ最大の奇跡である。

いや、人類史の奇跡である。

そのバランスに狂いが生じ、崩れた時、夢は終わった。

しかし、果物も腐りかけが1番美味しいように、彼らが崩壊寸前、夢のカケラで創りあげたアルバム、「アビーロード」は、この先100年後、500年後まで聴かれつづけ、語り継がれるであろう名作になり、永遠の生命を持ち、世界中に伝説のメロディを響きわたらせる。

ぼくの中では、音楽史上最高傑作の作品だよ。全体を貫く透明感、気品、格調の高さ、本当の芸術とはこういうものだと思うよ。

同年代で活躍し、今なお勢力的に新作を創り続けるロックバンド、ローリングストーンズのギタリストである、キース・リチャーズは、ビートルズの成功の理由をインタビューで聞かれた時、

「一つのグループ内に4人ボーカリストがいることかな」と答え、メインボーカリスト1人のストーンズと比較してました。

4人全員がボーカルをとれて、作詞、作曲できる。音楽制作だけに限らず、4人が全員同じスーツを着て、同じ髪型をして、同じ距離感で写真に映る。

作詞作曲が得意でなく、グループに最後に加入し、立ち位置的に遠慮しがちなリンゴだけど、ファンの間では1番人気で、初期のアイドル時代にはビートルズ人気を世界中に広める大きな貢献をした。

音楽的才能ではジョンとポールの敵わず、アルバムでも自分の曲を2曲までしか入れてもらえないジョージだけど、ステージではジョンとポールを両サイドに従えて、センターでギターを抱え、堂々と歌えた。

ビートルズのこうした、メンバー全員平等、分け隔てなく一緒に売り出すスタイルは、マネージャーのブライアン・エプスタインが考えたもので、売れそうで人気ある人物をメインボーカルに置き、ファンを獲得するより、4人全員ボーカリストにして、同じように平等に売り出し、それぞれのファンを獲得し、結果的にビートルズの人気を広めていこうとした。

メンバーの個性が違えば違うほど、自分のお気に入りのメンバーの良さが際立ちますます好きになる。ファンを獲得し、夢中にさせるのに素晴らしい手法である。

この4人を巡り合わせてくれたことを神様に感謝します。

1905年、アインシュタインは特殊相対性理論を発表した。絶対的な価値観に依らず、すべては、相互依存し合い、影響を与え合いながら成り立っている。

相対的価値観が世界にひろがり、世界は経済と文化の発展とともに多様性の時代が始まる。

アインシュタインが物理学の理論として研究し、発表した相対性という価値観を、ビートルズがエンターテイメントとして具現化して世界を熱狂の渦に巻き込んだ。

多様性の時代を後押しし、今日の様々な価値観が共存し、無限に、無秩序に物や情報が溢れかえる21世紀文化を形作ってきた。

しかし、ビートルズが解散し、相対性理論は今や砂上の楼閣となり、多様性の時代も行き詰まり、崩壊寸前だ。

これから先はどんな未来が待っているのか?

ビートルズはこれからを生きる人々にどのようなメッセージを残してくれたのか?

それはわからない。

しかし彼らはこう叫ぶだろう。

「ロックンロールは好きかい?今夜は楽しもうぜ!!」

今回はここで終わりです。次回はビートルズと進化について深ぼっていこうと思います。

本当に奇跡のようなバンドだね。次回もお楽しみに。

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