イマジンファーム・アップルトマト オリジナル農法でのトマトの作り方
イマジンファーム・アップルトマトのあるスギです。
今日は10月22日です。9月1日に定植した中玉トマト「フルティカ」は3段目の花が咲き、順調に成長しています。
9月15日に定植した大玉トマト「桃太郎ファイト」は1番花が咲いて来ました。
昨年多かった黄化葉巻病は今年はまだ発生が見られません。11月中旬になると病気を媒介してくるタバココナジラミが減ってくるので、このまま11月中旬まで持ち堪えてくれると良いんですけど、あと1ヶ月ほど気が抜けません。
5月中旬〜10月中旬までが私のトマト栽培の繁忙期になります。
5月中旬から6月終わりまで収穫、出荷のピークで、7月に入るとすぐ植え替え、定植の準備が始まり、9月終わりまで続きます。10月に入ってハウスのフィルム交換を終えたら、忙しさのピークも終わり、気分的に楽になります。
10月中旬から11月いっぱいまでは1年で一番時間的に余裕があり、忙しい時にはできないハウスの補強や修繕、農機具のメンテナンスなどをしていきます。
12月に入ると中玉トマトの収穫、出荷が始まり、1月に入り大玉トマトの収穫が始まると、本格的に仕事が忙しくなります。4月いっぱいまでは、まだ気温が低いので収量も多くはないですけど、5月に入ると一気に収量が増え、収穫、出荷のピークが始まります。
なので今が1番時間的に余裕があり、普段あまり出来ない仕事や趣味に時間が割けます。今年考えているのは、作業小屋にDIYで棚を作ることと、趣味でやっているベースギターのカスタムと、あと50年代〜70年代までの、まだ観ていない洋画を集中して観たいなと思っています。
どれだけ出来るかわからないですけど、貴重な時間なので有意義に使っていきたいと思います。
今回は、トマト作りで最も大事な時期である、3段目開花時期の管理の仕方を書いていこうと思います。
基本事項
3段目の花が開花して、1段目に結実した果実がピンポン玉くらいの大きさになって来たら、一気に水と肥料の要求量が増えてきます。果実の肥大期に入ってきて、果実の肥大速度もスピードアップします。
この時期まで来たら水や肥料を過剰に与えても、栄養成長に傾いて株が暴れることもなくなります。この段階に来るまでに、栄養成長と生殖成長のバランスをとる必要があります。
1段目の花は確実に結実させる必要があります。結実しなかった場合、果実の成長に行くはずだった養分が茎、葉に流れて、ますます栄養成長が進んで、生殖成長に移る段階が遅れます。なので、確実に結実させる為、トマトトーンを使用します。
栽培期間が10月〜11月初めくらいになり、トマトの生育温度としては最も良い時期です。日光をたっぷり当て、光合成を促進させガッチリとした株をつくっていきましょう。
芽かきや摘果を行い、樹勢のコントロールをしていきます。
10月いっぱいは、引き続き病害虫対策が必要です。特にタバココナジラミの発生には気をつけてください。
灌水
引き続き節水管理していきます。株が若干萎れてきたら少量の灌水をします。花が咲き、果実が結実するにつれ、水分要求量が増えてくるので株の成長に合わせて灌水回数を増やします。あまり水を絞りすぎて株が弱らないように気をつける。
1株あたり400ml〜500ml程度灌水します。
施肥
1番花が結実してきたら、肥料の要求量が若干増えてくるので、薄めの肥料を与える。3段目の花が咲く頃には肥料の要求量がより高くなってくるので、肥料不足にならないように定期的に施肥する。
EC0,6に調整した液肥を灌水する。3段目の花が咲く頃にはEC1,0まで濃度を高めて灌水する。
トマトトーン
確実に結実させるためにトマトトーンを散布します。
トマトトーンを100倍に希釈して使用します。
大玉トマトの空洞化防止の為にジベレリン5〜10ppmを一緒に混入します。
中玉トマトは花房が長く花数が多いので、2〜3回に分けて散布していきます。
散布時における注意点
成長点にトマトトーンがかかると障害が出る恐れがあるので、花房だけにかかるように注意して散布する。
トマトトーン処理は1回だけにする。2回以上トマトトーン処理すると奇形果の原因になる。
散布後は自然に乾いて蒸発するのを待つ。その間揺らしたりして水滴を落とさないようにする。
2度がけを防ぐ為に、希釈液の中に食紅を混ぜて、目印にする方法もあります。
ハウス内が30度以上になる時は散布しない。朝まだ涼しい内か、夕方日が暮れて涼しくなってきたら散布する。
手で花房を囲むようにしてスプレーで散布する。1回散布では付着量が足りないので2〜3回散布する。
花が2輪完全に開花して、蕾の先が少し開いた花が2〜3輪ある状態が散布するベストのタイミングです。
3段目の花が開花するまでは、3〜4日間隔でトマトトーン処理していく。
株が萎れると花粉が付きにくくなるので、トマトトーン散布当日は萎れさせず、前日に多めに灌水する。頻繁に萎れさせながら成長、管理していく栽培方法では、毎回ジベレリンをトマトトーン希釈液と一緒に混入して使用する。
芽かき
生育の状況に合わせて芽かきをしていきます。
芽かきのタイミングは2段目開花期頃で、それまで脇芽を取らないで伸ばし続ける。脇芽をしばらく放置する事で茎葉が大きるなると同時に根も伸長し株の成長を促進させる。
芽かきを一度に行うと樹勢が弱ってしまうので、まず1番最初に出て大きくなった脇芽から取っていく。その後3段目の花が咲く頃に、残りの脇芽を取っていく。
脇芽を伸ばし続けていると栄養成長に傾きやすくなり、花芽に行く養分を奪ってしまうので、咲いた花が貧弱な場合は早めに脇目を取るようにする。
摘果
1段目から3段目まで果実を沢山実らせると、樹勢が弱り4段目以降、結実しづらくなります。なので実らせる果実を制限して果実の肥大と、株の成長を両立する必要があります。
大玉トマトの場合1花房あたり4個以下にまとめます。摘果する時期は果実の直径が2〜3cm程度の大きさになって来た頃です。
中玉トマトの場合1花房あたり8個〜10個以下にまとめます。摘果する時期は果実の直径が1〜1,5cm程度の大きさになって来た頃です。
病害虫対策
定期的に農薬散布していきます。
3段目の花が咲く頃は10月後半〜11月中旬ごろになります。害虫の発生は減ってきますけれど。様々な病気に罹る危険性が高まる時期です。
葉カビ病、すすかび病、灰色カビ病、疫病。
特に疫病は一度多発すればハウス全体に一気に広がり全滅してしまう危険性があります。多発した場合、いくら農薬を散布しても効果がありません。また翌年も発生する確率が高まるので、疫病の発生には十分気を付けなければなりません。寒くなり、葉に露が24時間以上ついている状態になると多発しやすいので、十分な換気と水分管理、特に毎日よく観察して病気の発生の初期段階で見つけて、早期発見、早期治療が大事である。
重曹など農薬の代替品を使用して、効率良く病害虫対策をしていきましょう。
家庭菜園の場合(プランター栽培)
栽培時期は5月〜6月になります。
栄養成長と生殖成長のバランスを崩さないように管理する。
3段目の花が咲くまでは節水管理を続けます。株が萎れてきたら少量灌水します。
葉色が薄くなってきたら、薄めの液肥を与える。3段目の花が咲き、1、2段目の果実が肥大すると水分と肥料の要求量が多くなって来ます。株が肥料不足で貧弱にならないように生育ステージに合わせて肥料の量を増やしていく。
花が咲いたら着実に結実させる為にトマトトーンを使用する。100倍希釈液を作って、スプレーで散布する。その際ジベレリン5〜10ppm混入する。
脇芽は2段目の花が咲くまで放置しておいた方が根張りが良くなり、株が頑丈になるのでおすすめです。しかし栄養成長に傾いている株の場合は早めに芽かきしておいた方が良いです。
3段目まで果実を沢山実らせると、4段目以降樹勢が弱り結実しにくくなるので摘果していく。
大玉トマトの場合、3〜4個
中玉トマトの場合、8〜10個以内にまとめる。
5月、6月は病害虫が多発する時期です。定期的な農薬散布と自然農薬などの農薬の代替品を使用して防除をしていく。
毎日よく観察し病害虫の早期発見、早期治療を心がける。
6月に入ると梅雨時期になります。雨が直接かかると節水管理ができなくなり、思い通りのトマトを栽培出来なくなります。対策として、屋根がある場所で栽培するか、雨が降る時だけ屋根の下に移動するか、雨よけのトンネルを作る必要があります。