イマジンファーム・アップルトマト オリジナル農法でのトマトの作り方
イマジンファーム・アップルトマトのあるスギです。
今日は2月17日です。
毎日の様にチャットGPTを使っていて、AIの進歩と可能性には、いつも驚かされます。
これからの時代は確実にAIの時代です。あらゆる職種でAIが導入され、社会構造、労働環境が一気に大幅に変化していくでしょう。
農業にもAIを積極的に取り入れて、効率よく農業経営していくべきだと思います。
私はひとり農家ですが、AIは、日常のルーティン作業を効率化し、収益を最大化するための強力な相棒になると思います。
センサーによるデータ収集とAI分析を活用し、土壌の状態、病害虫の発生、気候条件をリアルタイムで把握し、適切な施肥や潅水を行うことで、収量の向上とコスト削減が可能です。
温度・湿度・CO₂濃度などのハウス内環境をAIで常時制御し、最適な環境管理を自動化できます。これにより、病気のリスクを低減し、品質を安定させることが可能です。
ひとり農家の私でもAI技術を取り入れることで、仕事の負担を軽減しつつ、高品質なトマトを安定して生産できるようになると思います。
AIと農業の融合は、食料の安定供給や持続可能性の向上に寄与し、次世代の農業を形作る重要な要素となるでしょう。

AIの導入でムリ、ムラ、ムダを省き、効率良く、楽に農業ができる未来が来そうです。
今回は生育ステージによる施肥の仕方について書いていきたいと思います。
生育ステージによる施肥の仕方
播種〜育苗期

目標
健全な発芽と苗の強健化を目指す。
肥料管理
– 養液濃度: EC(電気伝導度)0,3〜0,6 mS/cm
トマトの苗は根がまだ未熟なため、低濃度の肥料でスタートします。
– 主要成分バランス
– 窒素(N): 低〜中レベル(苗の葉の成長を促進)。
– リン酸(P): 中〜高レベル(根の発達を促進)。
– カリウム(K): 低レベル。
– 与え方: 週1〜2回、希釈した液肥を潅水。発芽直後は水のみ、子葉が展開したら薄めた液肥を使用。
– ポイント: 肥料濃度を上げすぎると根が傷むため注意。
-市販の播種用用土やポット苗用用土に肥料が入っている場合は、液肥を与える必要はありません。
定植期

目標
根の活着を促し、順調な初期成長をサポート。
肥料管理
– 養液濃度: EC 0,6〜0,8mS/cm
– 主要成分バランス
– 窒素(N): 中レベル(葉の成長と全体の活性化)。
– リン酸(P): 高レベル(根の定着を助ける)。
– カリウム(K): 中レベル(初期のストレス耐性)。
– 与え方: 定植後は葉色が薄くなったら、薄めの肥料を与える。
– ポイント: 苗が活着するまでは、多めに潅水し、活着したら水を絞って、根張りを促進させる。
1段目開花期

目標
初期の花房形成と果実着果を安定させる。
肥料管理
– 養液濃度: EC 0,6〜1,0 mS/cm
– 主要成分バランス
– 窒素(N): 中レベル(葉と茎の成長をサポート)。
– リン酸(P): 中〜高レベル(花房の発育を促進)。
– カリウム(K): 中レベル(初期果実の形成をサポート)。
– 与え方: 株が少し萎れ始めたら、液肥を混入し少量潅水。
– ポイント: 低水分管理を続け、栄養成長に傾きすぎないように、水分ストレスを与えながら成長させる。
3段目開花期

目標
果実肥大と品質向上を両立。
肥料管理
– 養液濃度: EC 0,6〜1,0 mS/cm
– 主要成分バランス
– 窒素(N): 中レベル(果実の成長と茎の健康維持)。
– リン酸(P): 中レベル(果実肥大の基礎を形成)。
– カリウム(K): 高レベル(果実品質と糖度を向上)。
– 与え方: 株が少し萎れ始めたら、液肥を混入し少量多潅水。
– ポイント: 3段目が開花する頃は、1段目の果実が肥大期に入るので、水と肥料の要求量が増えてきます。株と果実の成長に合わせて潅水量を増やしていきます。
5段目開花期

目標
果実肥大と着色を促進し、栽培後期の収穫量を確保。
肥料管理
– 養液濃度: EC 0,6〜1,0mS/cm
– 主要成分バランス
– 窒素(N): 中〜低レベル(過剰な茎葉成長を防ぐ)。
– リン酸(P): 中レベル(果実の品質向上)。
– カリウム(K): 高レベル(糖度と色づきを向上)。
– 与え方:水と肥料不足にならないように、定期的に液肥を混入し潅水する。多量小潅水で管理して、たっぷり水と肥料を与える。
-潅水した後は、株が萎れるまで水分ストレスをかける。
– ポイント: 5段目まで果実が実り、株に着果負荷がかかってきます。樹勢が弱らないように水と肥料をたっぷり与えて、着果負荷に負けない株を作っていきます。
収穫期

目標
高品質な果実を収穫しながら樹勢を維持。
肥料管理
– 養液濃度: EC 0,6〜1,0mS/cm(6段目以降は収穫状況で調整)
– 主要成分バランス
– 窒素(N): 低レベル(過剰成長を防止)。
– リン酸(P): 中レベル(引き続き品質向上に寄与)。
– カリウム(K): 高レベル(糖度の維持)。
– 与え方:株が少し萎れてきたら液肥を混入して潅水。少量多潅水で頻繁に水分ストレスをかけながらも樹勢を維持する。
– ポイント: 樹勢を落とさないようにするための定期的な潅水、施肥管理と、糖度を上げるための節水管理による水分ストレス。両方のバランスが取れた灌水をする。
補足
– pH管理: 養液のpHは常に5.8〜6.2を目標に管理。
– 観察と調整: トマトの葉色、茎の太さ、果実の状態を観察しながら養液の濃度や成分を適宜調整。
-肥料は茎葉や果実の成長、食味の向上に大きな影響を与えていますが、肥料の与えすぎは、悪影響になってしまうので要注意。
日々変化するトマトの状況を注意深く観察し、必要最低限の肥料を過不足なく与える事が大事です。

各ステージでの適切な管理が、収量と品質の向上につながります!
植物が肥料を吸収するメカニズム

肥料が土壌に溶解する
肥料は土壌中で水に溶けてイオン(例えば、窒素の硝酸イオンNO₃⁻やアンモニウムイオンNH₄⁺、リン酸のH₂PO₄⁻、カリウムイオンK⁺)として存在します。この形になることで植物が吸収できる状態になります。
根毛による吸収
植物の根の表面には**根毛**と呼ばれる細かい突起があり、これが土壌との接触面積を増やします。根毛が肥料のイオンを土壌溶液から取り込みます。
イオン輸送の仕組み
– 受動輸送(拡散)
濃度差に基づき、土壌溶液中のイオンが根の細胞に自然に移動します。
– 能動輸送(ATPを利用する輸送)
濃度が低い側から高い側にイオンを取り込むために、植物の細胞はエネルギー(ATP)を使います。このプロセスでは、細胞膜に存在する輸送タンパク質が重要な役割を果たします。
– イオン交換
根の表面から水素イオン(H⁺)が放出され、土壌中の肥料イオンと置き換わることで吸収が促進されます。
肥料成分の輸送
-木部(キシレム)
水と一緒に吸収した無機養分を地上部(茎や葉)へ運びます。
-師部(フロエム)
有機物とともに養分を植物全体に分配します。
肥料成分の利用
– 窒素(N):タンパク質や葉緑体(クロロフィル)の合成
– リン(P):エネルギー(ATP)や核酸の生成
– カリウム(K):細胞の浸透圧調整や酵素活性の促進
補足:微生物の役割
土壌中の微生物は肥料成分の吸収効率を高めます。例えば、窒素固定菌は大気中の窒素を植物が利用可能な形に変換し、菌根菌は土壌中のリンを吸収しやすくします。

植物が肥料を吸収するメカニズムをちゃんと把握し、効率良く肥料を与えていきましょう。
トマトの食味や糖度と肥料の関係

トマトの食味の良さや糖度の向上にも肥料は影響を与えています。
肥料が多すぎるとエグ味や食感が悪くなります。逆に少な過ぎるとコクが少なく淡白な味になります。
・窒素は過剰になると茎葉が茂りすぎて果実の糖度が下がることがあるので、適量に抑える。
・リン酸は根の発育を助け、花付きや果実の成長を促す。
・カリウムは果実の糖度向上や品質を改善する役割がある。
・マグネシウムは光合成を助け、糖分の生成を促進します。
など各種肥料の成分はそれぞれトマトの食味や糖度の向上に影響を与えています。しかしトマトの糖度向上に最も影響を与える要因は水分ストレスだと私は考えています。
私が行なっている栽培方法では、肥料は通常の1/5程度です。
また、節水管理によって、葉は小ぶりで、葉面積は少ないです。光合成能力は通常栽培しているトマトより少ないです。
それでも糖度は高くなり、食味は果肉がしっかりと詰まっていて濃厚でコクがあります。
光合成による同化産物の生成量や肥料の量も、食味の良さや糖度の向上に少なからず影響はありますが、節水管理による水分ストレスが高糖度トマトを作る上で最も重要な要因だと思います。

肥料の投与は食味にも影響を与えます。甘くて美味しいトマトを作る為に過不足なく適正な施肥を行いましょう。
家庭菜園向け肥料の与え方(プランター栽培)

プランター栽培では、土の中の栄養分が限られるため、定期的な液体肥料(液肥)の補給が重要です。ここでは、液肥のみを使ったトマトの効果的な肥料の与え方について解説します。
液体肥料の種類と選び方
液体肥料には大きく分けて、化成肥料系と有機肥料系の2種類があります。
– 化成肥料系:即効性があり、トマトの生育をスムーズに進める。
– 例:ハイポネックス、トマト専用液肥など
– 有機肥料系:微生物の働きを促進し、土の環境を改善。
– 例:魚かす液肥、アミノ酸液肥など
化成肥料と有機肥料を適宜組み合わせることで、トマトの健全な成長をサポートできます。
液肥の与え方(成長ステージ別)
定植直後(苗の活着期)
– 肥料の影響を受けやすい時期なので、最初の1〜2週間は液肥を控える。
– 代わりに水やりを中心に行い、根がしっかり張るのを待つ。
生育初期(本葉が5〜6枚になった頃)
– 週に1回程度、薄めた液肥(推奨濃度の1/2)を与える。
– 窒素(N)をやや多めに含んだ肥料を選ぶと、葉や茎の生育が促進される。
– 例:「ハイポネックス(N-P-K=6-10-5)」を1000倍に薄める。
開花・結実期(花が咲き始めた頃)
– 週に1〜2回、通常濃度の液肥を与える。
– この時期はリン酸(P)を多めに含む肥料を選ぶ。
– 例:「トマト専用液肥(N-P-K=5-10-5)」を500〜1000倍に薄める。
– カルシウム液肥を月に1回追加すると、尻腐れ病の予防になる。
収穫期
– 週に1〜2回、果実の甘みを増すためカリウム(K)が多めの液肥を与える。
– 例:「トマト専用液肥(N-P-K=4-6-8)」を500倍に薄める。
– 過剰な窒素供給を避け、葉の茂りすぎを防ぐ。
液肥の与え方のポイント
朝の涼しい時間帯に施肥
– 液肥は朝に与えると、根が効率よく養分を吸収できます。午前中は光合成能力が活発で水と肥料をたっぷり吸収し、茎葉や果実の生育を促進します。
根元にゆっくりと注ぐ
– 葉や茎に直接かからないように注意しながら、根元にじっくり染み込ませる。
-水の跳ね返りがあると病気にかかるリスクがあります。
-プランターに入っている培養度全体に水と肥料が満遍なく行き渡るようにすることが大事です。
水やりとのバランスを考える
– 液肥の施用日は通常の水やりと置き換える。
– 水分過多にならないよう注意。糖度の高いトマトを作りたいなら、節水管理が基本です。
希釈倍率を守る
– 濃度が濃すぎると、根を傷めたり肥料焼けを起こしたりするので、規定の倍率を守る。
まとめ
液肥のみを使ったトマトのプランター栽培では、成長ステージに応じた適切な肥料の種類と施肥頻度が重要です。特に、生育初期の窒素、開花期のリン酸、収穫期のカリウムのバランスを意識すると、元気な株を育てることができます。

適切な施肥管理を行いながら、美味しいトマトをたくさん収穫しましょう!