5話 植物の誕生と陸上進出(約5億年前)

- 博士と助手の植物進化講座 ~植物の誕生と陸上進出~
- 植物の誕生と陸上進出(約5億年前)
- エンディング ~緑の一歩が、すべての始まり~
- [補足1] 植物の誕生と陸上進出(約5億年前)と同じ時期に起こった重要な出来事
- [補足2] 地球の土壌形成――岩石から「生命を育てる土」が生まれるまで
- そもそも「土壌」とは何か?
- 約46億年前――地球誕生
- 第一段階――岩石が風化する
- 第二段階――生命が土壌形成に参加する
- 第三段階――植物が陸上へ進出する
- 「根圏」という地下世界が誕生する
- 菌類と植物が協力する――菌根
- 第四段階――有機物が蓄積する
- 第五段階――土壌に「層」ができる
- 土壌を決める「5つの形成要因」
- なぜ世界には「赤い土」「黒い土」があるのか
- 第六段階――「団粒構造」が発達する
- 土壌動物も「土」をつくっている
- 土壌形成には長い時間が必要
- 土壌形成は現在も続いている
- 人間が登場し、「自然の土」は「農地」へ変わった
- 農業は「土を育てる技術」でもある
- 地球46億年の土壌形成を一本につなげる
- まとめ――土壌とは「地球と生命の共同作品」である
博士と助手の植物進化講座 ~植物の誕生と陸上進出~

~地球が緑色に染まり始めた日~
(タイムマシンの中)
助手(けんじ)「博士、今日は約5億年前ですね!」
博士(尊徳)「うむ!今日は農業の歴史でも、かなり重要な日じゃ。」
けんじ「え?まだ人間どころか恐竜もいませんよ?」
博士「だからじゃよ。農業は人間が始めたものではない。植物が最初に始めた壮大なプロジェクトなんじゃ!」
けんじ「植物がプロジェクト?」
博士「そうじゃ。『緑の地球計画』じゃ!」
けんじ「なんか急に壮大ですね……。」
約5億年前へ到着!
ドガーーーン!!
けんじ「ぎゃーー!!また着陸失敗です!」
博士「今回は柔らかい泥の上じゃったからセーフじゃ。」
けんじ「毎回『たまたま』ですよね……。」
二人が外へ出ると、見渡す限り岩ばかりの世界が広がっていた。
山はある。
川も流れている。
しかし……
けんじ
「えっ……。
木が一本もありません!」
博士
「そうじゃ。
まだ陸には植物がほとんど存在しない時代なんじゃ。」
陸地はまるで火星?
けんじ
「なんだか寂しい景色ですね。」
博士
「現在の地球とはまるで違う。
山も岩も土色ばかり。
緑がほとんどない。」
けんじ
「今では当たり前の景色なのに……。」
博士
「現代人は『緑があること』を当たり前だと思っておる。
しかし当時の地球では、それが存在しなかったんじゃ。」
その頃。
生命のほとんどは海の中にいた。
海藻やシアノバクテリアが光合成を続け、
魚の祖先も泳いでいる。
しかし陸には、
乾燥
紫外線
栄養不足
という過酷な環境が待っていた。
なぜ陸へ?
けんじ
「博士。
こんな住みにくい場所へ、どうして植物は来たんですか?」
博士
「良い質問じゃ!」
博士は砂浜に棒で絵を描いた。
海には……
たくさんの藻類。
博士
「海は生命でいっぱい。
つまり競争も激しい。」
けんじ
「場所取り合戦ですね。」
博士
「そう。
ところが陸を見ると……」
何もない。
博士
「誰もいない。」
けんじ
「あ……新天地!」
博士
「その通り!
生命は空いている場所を見つけると挑戦するんじゃ。」
最大の敵は「乾燥」
そのとき、
小さな緑色の生き物が岩の表面に張り付いていた。
けんじ
「あれ?
海藻ですか?」
博士
「陸へ進出し始めた植物の祖先じゃ。」
けんじ
「でもすぐ乾いてしまいそうです。」
博士
「実際、多くは乾いて死んだ。」
けんじ
「ですよね……。」
植物が考えた作戦①
博士
「そこで植物は防水加工を始めた。」
けんじ
「防水?」
博士
「葉の表面にクチクラというワックスの膜を作ったんじゃ。」
けんじ
「レインコートみたい!」
博士
「その例えは100点じゃ!」
作戦② 空気を吸う穴
けんじ
「でもレインコートを着たら息ができませんよ?」
博士
「その通り!」
けんじ
「え?」
博士
「そこで登場するのが……
気孔(きこう)じゃ!」
葉の表面に小さな穴。
必要な時だけ開く。
博士
「二酸化炭素を取り入れ、
酸素を出し、
水の蒸発も調整する。」
けんじ
「植物って賢い!」
作戦③ 根を伸ばす
さらに植物は、
地面へ細い糸のようなものを伸ばし始めた。
けんじ
「これは根ですか?」
博士
「最初は今ほど立派ではないが、
水を吸い、
体を固定する仕組みじゃ。」
博士
「根があるから倒れない。」
けんじ
「トマトも根が命です!」
博士
「その通り!
農家として一番大事な考えじゃ。」
作戦④ 菌と友達になる
その頃、
地面には菌類も暮らしていた。
博士
「植物は菌と協力し始めた。」
けんじ
「協力?」
博士
「菌が土からリンやミネラルを集め、
植物へ渡す。」
けんじ
「その代わり?」
博士
「植物は光合成で作った糖をプレゼント。」
けんじ
「共生ですね!」
博士
「そう。
今でもトマトは菌根菌など多くの微生物に助けられておる。」
地球に土ができ始める
植物は岩を少しずつ砕き、
根を伸ばし、
枯れて分解される。
その繰り返しで……
けんじ
「あっ!
黒い土ができています!」
博士
「その通り!」
岩しかなかった地球に、
土が生まれ始めたんじゃ。」
けんじ
「土って最初からあったんじゃないんですね!」
博士
「土は植物が長い年月をかけて育てた作品とも言える。」
緑が世界を変える
数千万年後……
小さかった植物は、
シダ植物となり、
巨大な森を作るようになる。
地球は少しずつ……
茶色から緑色へ。
けんじ
「すごい……。
世界が変わっていく。」
植物が動物を呼ぶ
博士
「植物が増えると何が起こる?」
けんじ
「草食動物?」
博士
「正解!」
昆虫。
節足動物。
両生類。
やがて恐竜。
哺乳類。
そして……
人類。
博士
「植物が陸へ進出しなければ、
人間も農業も存在しなかった。」
トマトとの共通点
けんじ
「博士。
なんだか今のトマトにも似ていますね。」
博士
「もちろんじゃ。」
植物は今でも、
✔ 光を受け
✔ 根から水を吸い
✔ 微生物と協力し
✔ 光合成で糖を作り
✔ 酸素を放出している。
博士
「約5億年前に生まれた仕組みは、
現代のトマトにも受け継がれておる。」
植物の誕生と陸上進出(約5億年前)

― 海から大地へ。地球を「緑の惑星」へ変えた大事件 ―
現在、私たちの周囲には草原や森林、畑があります。しかし、約5億年前の陸地には、現在のような森も草原もありませんでした。
植物の陸上進出は、単に「海の植物が陸へ上がった」という出来事ではありません。土壌・大気・気候・生態系を変え、やがて動物が陸上で繁栄するための舞台をつくった、地球史上の大転換でした。
植物の祖先は海の中にいた
植物の歴史をたどると、その祖先は水中で暮らしていた光合成生物へと行き着きます。
さらに遠い起源をたどれば、約24億年前より前から酸素発生型光合成を行っていたシアノバクテリアが重要です。
シアノバクテリアそのものが植物になったわけではありません。
植物につながる真核生物の祖先がシアノバクテリアを細胞内に取り込み、それが葉緑体になったと考えられています。これを「一次共生」と呼びます。
その後、緑藻類などが進化し、その一部から陸上植物へつながる系統が現れました。
流れを単純化すると、
シアノバクテリア
↓
葉緑体の起源
↓
藻類の進化
↓
緑藻類・ストレプト植物
↓
陸上植物
となります。
特に現生の陸上植物に近い藻類として重要なのが、接合藻類を含むストレプト藻類です。
約5億年前、植物が陸へ進出する
陸上植物の起源は、おおむね約5億年前前後までさかのぼります。
化石や分子系統学から考えると、植物の陸上進出はオルドビス紀以前から進行していた可能性があります。
約4億7000万年前の地層からは、陸上植物由来と考えられる胞子化石が発見されています。
つまり、
約5億年前前後に陸上植物が成立し、約4億7000万年前には陸上で植物が存在していた証拠が残っている
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、この時代に現代の森が突然出現したわけではありません。
最初の植物は、地面を覆うコケのような小さな植物だったと考えられています。
なぜ「海から陸へ」は難しかったのか
水中生活から陸上生活への移行には、とんでもなく大きな問題がありました。
水中なら、植物の体は常に水に囲まれています。
ところが陸では、
乾燥する
→ 水を失う
重力がある
→ 自分の体を支える必要がある
水中から栄養を吸収できない
→ 地面から吸収する必要がある
強い紫外線を受ける
→ 細胞を守る必要がある
生殖細胞が乾燥する
→ 水がなくても繁殖できる仕組みが必要になる
という難題が待っていました。
植物にとって陸上進出は、いわば「水という生命維持装置を脱ぎ捨てる挑戦」だったのです。
植物は「乾燥」を克服した
そこで植物は進化の過程で、陸上生活に適したさまざまな仕組みを獲得していきます。
代表的なのがクチクラです。
植物の表面を覆う、ロウのような層です。
これによって体内の水分が蒸発するのを抑えられるようになりました。
さらに重要なのが気孔です。
気孔を開けば二酸化炭素を取り込めますが、その代わり水分が逃げます。
つまり植物は、
「CO₂を取り込みたい。でも水は失いたくない」
という矛盾を調節する仕組みを進化させたわけです。
これは現代のトマトを含む農作物にも、そのまま受け継がれています。
根と維管束が植物を変えた
初期の陸上植物は小型でした。
ところが、植物が陸上環境に適応していくと、非常に重要な進化が起こります。
それが、
根
+
維管束
です。
根を発達させれば、地面から水やミネラルを吸収できます。
さらに維管束を発達させることで、水や養分を植物体の各部分へ運べるようになりました。
維管束には主に、
- 木部……水や無機養分を運ぶ
- 師部……光合成でつくられた糖などを運ぶ
があります。
これによって植物は、地面に張り付くような小さな存在から、上へ上へと成長できる生物へ変わっていきました。
クックソニアなど初期の維管束植物
約4億3000万年前ごろになると、クックソニアのような初期の維管束植物が登場します。
クックソニアは現代の樹木とはまったく違います。
高さは数cm程度のものが多く、細い茎が二股に枝分かれし、その先端に胞子をつくる器官を持っていました。
まだ葉や根も現代の植物ほど発達していません。
しかし重要なのは、植物が地面から離れて立体的な空間へ進出し始めたことです。
ここから植物の「高さをめぐる進化」が本格化していきます。
コケの世界から巨大森林へ
その後、植物の進化は加速します。
大まかな流れを整理すると、
約5億年前前後
陸上植物の祖先が陸上環境へ適応
↓
約4億7000万年前
陸上植物の胞子化石
↓
約4億3000万年前
クックソニアなど初期の維管束植物
↓
約4億年前
根・葉・維管束などがさらに発達
↓
約3億8500万年前
初期の森林が成立
↓
約3億6000万~3億年前
巨大な森林生態系が発達
デボン紀には植物が急速に大型化し、やがて樹木と森林が現れます。
ここまで来ると、地球の景色そのものが変わります。
植物は「土」をつくった
植物の陸上進出で非常に重要なのが土壌形成です。
もちろん植物が来る以前にも岩石の風化物や微生物は存在していました。しかし植物の根が岩石を物理的・化学的に風化させ、枯れた植物体が有機物として蓄積することで、より発達した土壌が形成されていきました。
岩石
↓
風化
↓
植物・菌類・微生物が作用
↓
有機物が蓄積
↓
土壌が発達
さらに重要なのが菌類との共生です。
初期の植物は、菌類と共生することでリンなどの栄養素を効率よく獲得していた可能性があります。
現在の菌根菌につながる植物と菌類の協力関係は、植物の陸上進出そのものに深く関係していたと考えられています。
植物は地球の気候まで変えた
植物が陸地を覆い始めると、地球規模の変化が起こります。
植物は光合成によって、
二酸化炭素+水
→ 有機物+酸素
という反応を行います。
さらに植物の根や菌類が岩石の風化を促進すると、長期的には大気中のCO₂を減少させる方向に作用します。
植物の繁栄は炭素循環を大きく変化させ、古生代の気候変動にも重要な影響を与えたと考えられています。
つまり植物は環境に適応しただけではありません。
自分たちが暮らしやすい地球環境そのものを変えていったのです。
植物が動物の陸上進出を支えた
植物が陸地へ広がると、新しい食料と生息環境が生まれます。
植物や有機物を利用する小型動物が増え、それを食べる捕食者も進出します。
やがて、
植物
↓
節足動物
↓
昆虫などの多様化
↓
脊椎動物の陸上進出
という巨大な陸上生態系へ発展していきます。
もちろん動物の陸上進出と植物の進化は単純な一本道ではなく、互いに影響しながら進みました。
しかし、植物が陸地を豊かな生態系へ変えていったことは間違いありません。
そして「農業」へつながっていく
ここが農業の歴史を考えるうえで面白いところです。
約5億年前に植物が陸上へ進出していなければ、
土壌も、森林も、穀物も、野菜も、果樹も、そして農業も存在しません。
植物はその後、
胞子で増える植物
↓
種子植物
↓
裸子植物
↓
被子植物
↓
花・果実の多様化
↓
人類による植物栽培
↓
農業
という長大な進化をたどります。
トマトの根が土から水やミネラルを吸い、葉の気孔を開閉し、維管束で水や糖を運んでいる仕組みも、突き詰めれば数億年前の植物たちが陸上生活を克服するために獲得した進化の遺産なのです。
| 時期 | 主な出来事 |
| 約5億年前前後 | 植物の祖先が本格的に陸上環境へ適応 |
| 約4.7億年前 | 陸上植物の胞子化石が残る |
| 約4.3億年前 | クックソニアなど初期の維管束植物 |
| 約4億年前 | 根・葉・維管束が発達 |
| 約3.85億年前 | 初期の森林が形成される |
| その後 | 大森林が発達し、陸上生態系が巨大化 |
植物の陸上進出を一言で表現するなら、
「生命が海だけの世界から、大地そのものを生きた世界へ変え始めた出来事」
と言えるでしょう。
そして農業という視点から見ると、約5億年前の小さな植物の陸上進出こそ、はるか未来の「畑」が誕生するための第一歩だったのです。

エンディング ~緑の一歩が、すべての始まり~

けんじ「博士、今日は本当に驚きました。植物が陸へ上がったことが、こんなにも地球の歴史を変えたなんて思いませんでした。」
博士「そうじゃ。岩しかなかった大地に、小さな植物が勇気を出して一歩を踏み出した。その一歩が、土をつくり、森を育て、動物を呼び、やがて人間が暮らせる世界を築いたんじゃ。」
けんじ「そして、その長い歴史の先に、今の農業があるんですね。」
博士「その通りじゃ。畑で育てているトマトも、約5億年前に陸へ挑戦した植物たちの子孫なんじゃよ。」
けんじ「そう思うと、毎日何気なく見ている一枚の葉っぱも、ものすごい歴史を背負っているんですね。」
博士「葉っぱ一枚の裏には、気孔という小さな扉があり、根の先では微生物と力を合わせて生きている。その姿は、5億年前から受け継がれてきた生命の知恵そのものじゃ。」
けんじ「農業って、野菜を育てる仕事というより、植物たちが何億年もかけて磨いてきた知恵を受け継ぐ仕事なのかもしれませんね。」
博士「うむ。その気づきこそが一番大切じゃ。私たちは植物を育てているようで、本当は植物から生き方を教わっているのかもしれん。」
けんじ「今日から畑に立つ気持ちが少し変わりそうです。」
博士「では次の旅では、地球を覆う巨大な森と、昆虫たちが空を舞い始める時代へ向かうとするか!」
けんじ「その前に博士……。」
博士「なんじゃ?」
けんじ「今度こそ着陸だけは成功させてください!」
博士「安心せい!今回は植物に学んで、『根を下ろすような安定した着陸』を目指すぞ!」
けんじ「そのセリフ、毎回聞いてる気がしますけど……。」
ドガガガガーーン!!
けんじ「やっぱり根を下ろせてないじゃないですかーーー!!」
〜アナザーサイド・ストーリー〜
[補足1] 植物の誕生と陸上進出(約5億年前)と同じ時期に起こった重要な出来事

約5億年前という時代は、地球史では主にカンブリア紀後期〜オルドビス紀にあたります。
植物が陸上への進出を始めたころ、海の中では動物が猛烈な勢いで多様化し、魚類の祖先が現れ、巨大な節足動物が泳ぎ、そして時代の終わりには地球史上最初の「五大大量絶滅」の一つまで起こりました。
まさに、「生命が海から陸へ世界を広げ始めた時代」です。
まず約5億年前とはどんな時代?
大まかな時間関係を整理すると、
| 時代 | 約何年前 | 主な出来事 |
| カンブリア紀 | 5億3900万~4億8500万年前 | 動物の急速な多様化 |
| オルドビス紀 | 4億8500万~4億4400万年前 | 海洋生物がさらに多様化、初期の陸上植物 |
| シルル紀 | 4億4400万~4億1900万年前 | 維管束植物・陸上生態系が発達 |
したがって「約5億年前」を一点として考えるより、5億年前を中心とした数千万年間を見ると、地球で何が起こっていたのかが分かりやすくなります。
カンブリア爆発による動物の多様化
約5億年前の少し前、カンブリア紀には「カンブリア爆発」と呼ばれる生物進化上の大事件が起こりました。
これは文字どおり生物が爆発したわけではありません。
比較的短い地質学的期間に、動物の主要な体のつくりが急速に多様化した現象です。
三葉虫をはじめ、節足動物、軟体動物、腕足動物、棘皮動物、脊索動物など、現在の動物につながる多くのグループが化石記録に現れます。
つまり、
植物が陸へ向かい始めたころ、海ではすでに「動物の世界」が大きく発展していた
のです。
オルドビス紀の「生物多様化」
カンブリア爆発の後にも、生物進化は止まりませんでした。
約4億7000万年前ごろを中心として、海洋生物がさらに大きく多様化します。
これは「オルドビス紀生物大放散(GOBE)」と呼ばれます。
腕足動物、コケムシ、サンゴ類、ウミユリ、軟体動物などが繁栄し、海洋生態系が複雑になっていきました。
単に生物の種類が増えただけではありません。
植物プランクトン
↓
小型動物
↓
中型捕食者
↓
大型捕食者
という複雑な食物網が発達していきます。
現在の海洋生態系につながる基礎が整えられた重要な時代です。
三葉虫が海底で大繁栄
この時代を代表する生物の一つが三葉虫です。
三葉虫は節足動物の仲間で、カンブリア紀から古生代の海で長期間繁栄しました。
大きさや生活様式もさまざまで、
- 海底を歩く種類
- 泥の中に潜る種類
- 水中を泳ぐ種類
- 捕食する種類
などが存在しました。
三葉虫は約2億5000万年前のペルム紀末大量絶滅まで生き続けます。
人類とは比較にならないほど長期間、地球上で繁栄した動物だったのです。
巨大な「オウムガイの仲間」が海の捕食者になる
オルドビス紀の海には、現代では見られない奇妙な捕食者がいました。
代表的なのが直角石型の殻を持つ頭足類です。
現代のオウムガイやイカ・タコにつながる頭足類の古い仲間で、長い殻を持つ種類が存在しました。
大型のものも現れ、海の食物網で重要な捕食者になっていきます。
当時の海を想像すると、
三葉虫が海底を歩き、その上を殻を持つ頭足類が泳いでいる。
現在とはかなり違う世界だったわけです。
最初期の魚類・脊椎動物が登場
農業の歴史を人類までつなげて考えるなら、これは非常に重要です。
カンブリア紀にはすでに初期の脊索動物・脊椎動物につながる生物が存在し、オルドビス紀になると顎を持たない魚類(無顎類)が多様化していきます。
まだ現代の魚とはかなり違います。
顎がなく、初期の種類では体を守る硬い組織を持つものもいました。
しかし、
初期脊索動物
↓
初期脊椎動物
↓
魚類
↓
両生類
↓
爬虫類など
↓
哺乳類
↓
霊長類
↓
人類
という壮大な進化を考えると、約5億年前の海には遠い意味で私たちの系統につながる生物がすでに存在していたことになります。
植物が陸上へ進出する
そして同じころ、陸上では静かな革命が進んでいました。
約4億7000万年前の地層から、陸上植物に由来すると考えられる胞子化石が見つかっています。
最初の植物は現代の樹木のようなものではなく、コケ植物に似た小型の植物だったと考えられています。
この出来事が重要なのは、植物が単に生活場所を変えたからではありません。
植物が陸上へ進出すると、
岩石の風化
↓
土壌形成の促進
↓
有機物の蓄積
↓
陸上生態系の発達
↓
動物が暮らせる環境の拡大
へとつながっていくからです。
後の森林、農地、そして人類文明につながる非常に遠い出発点でした。
植物と菌類の「共生」が始まっていた可能性
植物の陸上進出を陰で支えた存在として注目されているのが菌類です。
初期の陸上植物には、現在の植物ほど発達した根がありませんでした。
そこで重要になったと考えられているのが、菌類との共生です。
菌類が土壌や岩石から、
リン・水・ミネラル
などを獲得し、植物へ渡します。
植物はその代わりに、光合成で作った炭素化合物を菌類へ提供します。
これは現在の農業でも非常に重要な菌根共生につながります。
つまり植物と菌類の協力関係には、数億年規模の歴史があるのです。
節足動物も陸上へ向かい始める
植物が陸地へ広がるにつれて、動物にとっても陸上生活の可能性が生まれました。
植物や微生物が増えれば、それを食べたり、分解したりする生物が生きられるようになります。
その後、ムカデやヤスデ、クモ類などにつながる節足動物が陸上へ進出していきます。
ただし、植物の初期陸上進出と完全に同時だったと断定するのではなく、オルドビス紀〜シルル紀にかけて陸上生態系が段階的に形成されたと考えるのが適切です。
やがて、
植物 → 植食動物 → 捕食動物
という陸上の食物網が成立していきます。
大気・土壌・気候が変化する
陸上植物の登場は地球そのものにも影響しました。
植物や菌類が岩石の風化を促進すると、長期的な炭素循環が変化します。
さらに光合成によって炭素が有機物として固定されます。
そのため植物の陸上進出は、
CO₂循環の変化
+
岩石風化の促進
+
土壌形成
+
酸素循環への影響
を通して地球環境を変えていったと考えられています。
小さな植物が、やがて惑星規模の環境改変者になっていったわけです。
オルドビス紀末の大量絶滅
そして約4億4400万年前、重大事件が起こります。
オルドビス紀末大量絶滅です。
これは「五大大量絶滅」の一つです。
当時の生物の大部分は海に暮らしていたため、海洋生態系が大きな打撃を受けました。
原因として特に重要視されているのが、急激な寒冷化と氷河作用、それに伴う海面低下、そしてその後の環境変動です。
海面が低下すると浅い海が縮小します。
当時、多くの生物が浅海に暮らしていたため、生息地を大量に失いました。
地球生命史は、
繁栄 → 環境変化 → 絶滅 → 新たな進化
を何度も繰り返してきたのです。
約5億年前の地球をまとめると
この時代には、海と陸でまったく異なる革命が同時進行していました。
海では――
カンブリア紀以来の動物がさらに多様化し、三葉虫、腕足動物、頭足類、初期脊椎動物などが繁栄。
陸では――
小さな植物と菌類などが、新しい陸上生態系を作り始める。
そして最後には、大量絶滅によって海洋生態系が大きく再編されました。
地球史の流れ
約5億年前
海洋生物の多様化
↓
初期脊椎動物の発展
↓
植物の陸上進出
↓
植物と菌類の共生
↓
土壌の発達
↓
節足動物などの陸上進出
↓
陸上生態系の成立
↓
森林の誕生
↓
脊椎動物の陸上進出
↓
そして遥か後に人類と農業へ
この時代の最大の意味は、生命の舞台が「ほぼ海だけの地球」から「海と陸の両方に生命が広がる地球」へ切り替わり始めたことにあります。
農業の歴史という視点から見れば、約5億年前はまだ「農業の時代」ではありません。しかし、植物・菌類・岩石・水が結びついて土壌生態系を作り始めたことこそ、数億年後の農地につながる壮大な準備段階だったと考えることができます。

[補足2] 地球の土壌形成――岩石から「生命を育てる土」が生まれるまで

私たちが普段何気なく踏んでいる「土」。
農業では、作物を育てるための最も基本的な存在です。しかし地球が誕生したときから、現在のような土壌が存在していたわけではありません。
最初にあったのは、岩石の大地でした。
そこへ水と大気が作用し、生命が加わり、植物が陸上へ進出し、微生物や菌類、動物が活動することで、長い時間をかけて現在の土壌が形成されてきました。
つまり土壌とは、
「岩石と生命が、地球の長い歴史の中で共同してつくったもの」
と考えることができます。
今回は、地球の土壌がどのように誕生し、発達してきたのかを体系的に整理してみましょう。
そもそも「土壌」とは何か?
土壌は、単純に岩石が細かく砕けたものではありません。
基本的には、
① 鉱物
② 有機物
③ 水
④ 空気
⑤ 生物
という5つの要素から成り立っています。
鉱物は岩石に由来します。
有機物は植物や微生物など生命活動に由来します。
さらに、その隙間には水と空気が存在し、細菌、菌類、原生生物、線虫、ダニ、ミミズなど、多種多様な生物が暮らしています。
したがって土壌とは、
岩石圏・大気圏・水圏・生物圏が接触する場所
でもあります。
農業的に言えば、単なる「作物を固定するための土台」ではありません。
植物の根を中心として、水・酸素・養分・微生物が相互作用する生態系なのです。
約46億年前――地球誕生
地球が形成されたのは約46億年前です。
誕生直後の地球は非常に高温で、現在のような森林や草原はありません。
当然、現在の意味での土壌も存在していませんでした。
やがて地球表面が冷却されると、地殻が形成されます。
つまり土壌形成の出発点は、
「岩石の惑星」
だったのです。
ここから長大な土壌形成の物語が始まります。
第一段階――岩石が風化する
土壌形成の最初の重要な過程が風化です。
風化とは、岩石が物理的・化学的・生物的作用によって崩れたり変質したりすることです。
物理的風化
温度変化、凍結融解、水流などによって岩石が機械的に砕かれます。
大まかには、
岩石 → 礫 → 砂 → より細かな粒子
となっていきます。
ただし、岩石を細かくしただけでは、まだ豊かな土壌とはいえません。
化学的風化
水や二酸化炭素などが岩石中の鉱物と反応すると、鉱物そのものが変化します。
例えば長石類などが変質し、粘土鉱物などが形成されます。
さらに岩石内部に含まれていた、
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- 鉄
などの元素が地表の物質循環へと入っていきます。
これは後の植物栄養という意味でも非常に重要です。
つまり岩石の風化とは、
岩石に閉じ込められていた元素を、生態系へ解放していく過程
でもあるのです。
第二段階――生命が土壌形成に参加する
ここから地球の土壌形成は大きく変わります。
水や温度だけではなく、生命そのものが岩石を変化させるようになったからです。
微生物などの生命活動は、鉱物の変質や元素循環に影響します。
さらに陸上環境が発達すると、地衣類、菌類、植物などが岩石表面に関わるようになります。
生物は岩石の風化を促進します。
そして生物が死ねば、その体は有機物として残ります。
ここで、
岩石由来の無機物
と
生命由来の有機物
が混ざり始めます。
これが現在の土壌へとつながる重要な転換点です。
第三段階――植物が陸上へ進出する
土壌形成史における巨大な転換点の一つが、植物の陸上進出です。
古生代になると植物は徐々に陸上へ進出し、やがて根を持つ植物が発達します。
ここで重要なのが「根」です。
根は土壌や岩石の隙間へ入り込みます。
そして、
岩石の風化を促進する
↓
養分を吸収する
↓
光合成する
↓
炭素化合物を地下へ送る
↓
根の周囲に微生物が集まる
↓
植物が枯れる
↓
有機物が土壌へ供給される
という循環が生まれました。
つまり植物は、
土から養分をもらう存在であると同時に、土をつくる存在
でもあるのです。
「根圏」という地下世界が誕生する
植物の根の周辺には、根圏と呼ばれる特殊な環境があります。
植物は光合成によって作った炭素化合物の一部を根を通じて地下へ供給します。
そのため根の周辺には微生物が集まり、非常に活発な生態系が形成されます。
植物の根、細菌、菌類、水、酸素、鉱物、養分。
これらが複雑に相互作用しています。
したがって農業的には、
土を見ること=根を見ること
でもあります。
さらに一歩進めれば、
根を見ること=根の周囲の生態系を見ること
なのです。
菌類と植物が協力する――菌根
植物の陸上生活を支える重要な存在が菌類です。
特に重要なのが菌根菌です。
菌根菌は植物の根と共生し、土壌中へ細い菌糸を伸ばします。
植物は菌類へ炭素化合物を供給し、菌類は植物による水分やリンなどの養分獲得を助けます。
簡単に表現すると、
植物「糖などを渡す」
↕
菌根菌「水や養分獲得を助ける」
という関係です。
植物だけでは十分に探索できない土壌空間へ菌糸が広がることで、植物の地下世界は大きく拡張されます。
第四段階――有機物が蓄積する
植物が繁栄すると、地表には大量の有機物が供給されます。
落ち葉、枯れ枝、枯れた根、動物の遺体、微生物の死骸などです。
しかし、それらはそのまま残るわけではありません。
菌類や細菌、土壌動物などが分解します。
生物の遺体
↓
分解
↓
微生物による利用
↓
無機養分の放出
+
一部の有機物が土壌中で安定化
という循環が形成されます。
この有機物循環によって、岩石の風化物だった地表は、次第に生命を支える土壌へ変化していきます。
第五段階――土壌に「層」ができる
土壌形成が長期間続くと、地面を縦に掘ったときに性質の異なる層が見られるようになります。
これを土壌断面といいます。
代表的には次のように分類されます。
| 層 | 主な特徴 |
| O層 | 落葉など有機物が多い |
| A層 | 有機物と鉱物が混ざった表層 |
| E層 | 物質が溶脱した層 |
| B層 | 粘土・鉄などが集積することがある |
| C層 | 風化した母材 |
| R層 | 基盤岩 |
ただし、すべての土壌にすべての層が存在するわけではありません。
農業では特に表土・作土層が重要です。
植物の根や微生物、有機物が集中しやすく、人間による耕うんや施肥などの影響も強く受ける場所だからです。
土壌を決める「5つの形成要因」
同じ地球なのに、なぜ場所によって土が違うのでしょうか。
土壌学では、土壌を形成する代表的な要因として次の5つが挙げられます。
① 母材
土壌の元になった岩石や火山灰、河川堆積物などです。
母材によって鉱物組成や粒径などが違います。
② 気候
温度と降水量は特に重要です。
暖かく雨の多い地域では化学的風化や溶脱が強く進みます。
③ 生物
植物、微生物、菌類、動物などです。
有機物供給や養分循環、土壌構造形成などに関係します。
④ 地形
山頂、斜面、谷、平地などによって排水や侵食、堆積条件が変わります。
⑤ 時間
同じ条件でも、形成が始まって100年の土と10万年の土では性質が違います。
したがって、
母材 × 気候 × 生物 × 地形 × 時間 → 土壌
という考え方ができます。
なぜ世界には「赤い土」「黒い土」があるのか
土壌形成条件が違うため、世界にはさまざまな土壌があります。
例えば高温多雨地域では、長期間にわたって強い風化や溶脱が進み、鉄酸化物などの影響で赤色や黄色を帯びた土壌が形成されることがあります。
草原地帯では、植物の根から大量の有機物が地下へ供給され、有機物に富む黒っぽい表層が発達する場合があります。
そして日本で重要なのが火山灰土壌です。
代表例が黒ボク土です。
火山灰由来の物質を多く含み、有機物を多く保持するものが多い一方、リン酸を強く保持する性質などがあります。
つまり土の色や性質は、
その土地が経験してきた地球史の記録
とも考えられるのです。
第六段階――「団粒構造」が発達する
農業において非常に重要なのが団粒構造です。
砂、シルト、粘土、有機物、微生物由来物質などが結びつき、小さな塊を形成します。
これが団粒です。
団粒構造が適切に発達すると、土壌には大小さまざまな隙間が生まれます。
その結果、
保水性
+
排水性
+
通気性
を両立しやすくなります。
一見すると「水持ちが良い」と「水はけが良い」は矛盾しています。
ところが良好な土壌構造では、それが両立できます。
水を保持する細かな孔隙と、余分な水を流し空気を通す大きな孔隙が共存するからです。
土壌動物も「土」をつくっている
土壌形成を担っているのは植物と微生物だけではありません。
ミミズなどの土壌動物も重要です。
ミミズは、
土を食べる
→ 有機物を分解する
→ 土を移動させる
→ 排泄する
→ 巣穴をつくる
という活動を続けています。
その結果、土壌が混合され、孔隙が形成され、水や空気の移動にも影響します。
ダーウィンも晩年、ミミズが土壌形成に果たす役割を研究しました。
小さなミミズも、長い時間で考えれば立派な「地下の土木技師」なのです。
土壌形成には長い時間が必要
「土1cmができるまで数百年かかる」といった表現を耳にすることがあります。
これは一つの目安であって、世界共通の一定速度ではありません。
土壌形成速度は、
気候、母材、植生、地形、侵食、堆積など
によって大きく変わります。
しかし重要なのは、
土壌は人間の時間感覚から見ると非常に再生の遅い資源である
ということです。
自然が長い時間をかけて形成した表土でも、激しい侵食などによって短期間で失われることがあります。
土壌形成は現在も続いている
土壌は昔つくられて完成したものではありません。
現在も、
岩石・鉱物の風化
↓
植物の成長
↓
根から炭素化合物が供給される
↓
微生物が活動する
↓
植物や微生物が死ぬ
↓
有機物が分解される
↓
養分が循環する
↓
新しい植物が育つ
という循環が続いています。
つまり土壌とは完成品ではなく、常に変化しているシステムなのです。
人間が登場し、「自然の土」は「農地」へ変わった
そして約1万年前、人類が本格的な農耕を始めます。
ここで土壌形成史に新しい存在が加わりました。
人間です。
人間は、
耕す、灌漑する、排水する、施肥する、有機物を入れる、作物を栽培する、輪作する
ことで土壌を変化させます。
自然だけがつくっていた土へ、人間が積極的に介入するようになったのです。
ここから農業土壌の歴史が始まります。
農業は「土を育てる技術」でもある
農業というと、「作物を育てる技術」と考えがちです。
しかし土壌形成の歴史から考えると、もう一つの姿が見えてきます。
農家が管理しているのは植物だけではありません。
水分・酸素・養分・有機物・根・微生物・土壌構造
を総合的に管理しています。
つまり、
農業とは、植物を育てる技術であると同時に、植物が育つ地下環境を管理する技術である。
ということです。
これは露地栽培だけでなく、ハウス栽培や養液土耕でも重要です。
ECや肥料濃度だけではなく、根圏の水分、酸素、温度、pH、根の活性、微生物環境などが相互につながっています。
地球46億年の土壌形成を一本につなげる
最後に、地球史として整理してみましょう。
約46億年前
地球誕生
↓
地球が冷却し、地殻・岩石が形成される
↓
水・大気によって岩石が風化する
↓
生命活動が鉱物の変質や元素循環へ関与する
↓
陸上生態系が発達する
↓
植物が陸上へ進出する
↓
根・菌類・微生物による土壌形成が活発になる
↓
大量の有機物が地表・地下へ供給される
↓
土壌動物も加わり、土壌構造が複雑化する
↓
森林・草原などの陸上生態系が発達する
↓
人類が農耕を開始する
↓
自然土壌が農業土壌として管理される
↓
現代農業へ
こうして見ると、
岩石 → 土壌 → 植物 → 生態系 → 農業
という一本の壮大な流れが見えてきます。
まとめ――土壌とは「地球と生命の共同作品」である
土壌形成を理解するうえで最も重要なのは、土を単なる「砕けた岩石」と考えないことです。
岩石を水と大気が風化させる。
そこへ生命が入り込む。
植物が根を張る。
菌類と微生物が活動する。
有機物が蓄積する。
土壌動物がそれを混ぜる。
そして再び植物が育つ。
この循環が何百万年、何億年という時間の中で繰り返され、現在の陸上生態系を支える土壌が発達してきました。
だから、
「土が植物を育てた」だけではありません。
同時に、
「植物をはじめとする生命が、土を育ててきた」
のです。
この相互作用こそ、土壌形成の本質です。
そして人類が農耕を始めた瞬間から、私たち自身もこの巨大な土壌形成システムの一員になりました。
地球46億年の歴史の中で形成されてきた土を受け取り、それを次の世代へどう残すのか。
「土づくり」という農業技術を地球史まで遡って考えると、それは単なる施肥や耕うんの技術ではなく、生命が何億年も続けてきた「土をつくる営み」に人間が参加することだと見えてくるのです。


